GUIDE — 口腔機能発達不全症

口腔機能発達不全症のチェックリスト(離乳完了前・離乳完了後)とC項目の見方

口腔機能発達不全症は、チェックリストの「食べる機能」「話す機能」のC項目の該当数で診断します。チェックリストは、離乳完了前(別紙1)と離乳完了後(別紙2)の2種類です。この記事では、日本歯科医学会「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」(令和6年3月。以下「基本的な考え方」)に沿って、2つのチェックリストのC項目と評価基準、診断基準、口唇閉鎖力・舌圧の年齢別の基準値、体格の見方までを整理します。

令和8年度の点数表の通知(B000-4-2 小児口腔機能管理料 通知(1))でも、管理にあたっては令和6年3月の「基本的な考え方」を参考にするよう示されています。保険算定(小児口腔機能管理料1・2、検査の点数)は「口腔機能発達不全症の算定(令和8年度)」で解説しています。

POINTS — この記事の要点

  • チェックリストは別紙1(離乳完了前・C-1〜C-13)と別紙2(離乳完了後・C-1〜C-18)の2種類
  • 診断基準は、「食べる機能」「話す機能」のC項目で2つ以上。離乳完了前はC-1〜C-9、離乳完了後はC-1〜C-6を1つ以上含むこと
  • 「その他」のC項目(体格・口呼吸・低舌圧など)は、診断の2つ以上には数えない
  • 舌圧と口唇閉鎖力は年齢別の基準で評価する。舌圧のcut-off値は3歳4.0kPa〜12歳31.0kPa

口腔機能発達不全症とは

「基本的な考え方」では、口腔機能発達不全症を、「食べる機能」「話す機能」「その他の機能」が十分に発達していないか、正常に機能獲得ができておらず、明らかな摂食機能障害の原因疾患がなく、口腔機能の定型発達において個人因子あるいは環境因子に専門的関与が必要な状態としています。病状としては、咀嚼や嚥下がうまくできない、構音の異常、口呼吸などが挙げられ、本人に自覚症状があまりない場合も多いとされています。

小児は機能を発達・獲得していく(ハビリテーション)過程にあり、成長のステージごとに正常な状態も変わるため、獲得の遅れを早い段階で見極めることが重要とされています。管理の対象は概ね17歳までで、保険の小児口腔機能管理料は18歳未満の患者が対象です。

チェックリストは2種類:離乳完了前(別紙1)と離乳完了後(別紙2)

別紙1(離乳完了前)別紙2(離乳完了後)
対象離乳が完了する前の乳児離乳完了後(資料では「18か月以降」)
C項目C-1〜C-13(13項目)C-1〜C-18(18項目)+口唇閉鎖力検査・舌圧検査の欄
食べる機能哺乳 C-1〜C-6/離乳 C-7〜C-9咀嚼機能 C-1〜C-6/嚥下機能 C-7/食行動 C-8
話す機能構音機能 C-10構音機能 C-9〜C-12
その他栄養(体格)C-11、その他 C-12・C-13栄養(体格)C-13、その他 C-14〜C-18
診断で必ず1つ含む項目C-1〜C-9(哺乳・離乳)C-1〜C-6(咀嚼機能)
体格の指標カウプ指数(現在と出生時の体重・身長を記入)カウプ指数(6歳未満)・ローレル指数(6歳以上)

出典:「基本的な考え方」(令和6年3月)別紙1・別紙2。C項目の番号は2つのチェックリストで意味が異なります(例:C-10はどちらも口唇の閉鎖不全ですが、C-11は別紙1では体格、別紙2では口腔習癖)。

チェック欄は、C項目ごとの「D該当項目」と、B分類(哺乳機能・構音機能など)ごとの「管理の必要性」の2種類です。どちらの別紙にも、評価の目安として「チェックリストの各項目に関する評価基準」が付いています。

離乳完了前(別紙1)のC項目と評価基準

C項目機能・分類評価基準(要約)
C-1 先天性歯がある食べる・哺乳視診で先天性歯(先天歯、出生歯)の有無を確認する
C-2 口唇、歯槽の形態に異常がある(裂奇形など)食べる・哺乳視診で口唇・歯槽の形態異常の有無を確認する
C-3 舌小帯に異常がある食べる・哺乳舌小帯短縮症、舌の挙上時の分葉舌、運動制限(舌尖を歯列の外に出せない)の有無を視診で確認する
C-4 乳首をしっかり口にふくむことができない食べる・哺乳視診で、乳首をしっかり口にふくめているかを確認する
C-5 授乳時間が長すぎる、短すぎる食べる・哺乳問診・視診で、リズミカルな吸啜運動ができているか、適切な授乳時間(15〜20分)で哺乳できているかを確認する
C-6 哺乳量・授乳回数が多すぎたり少なすぎたりムラがあるなど食べる・哺乳問診で、月齢に応じた哺乳量と授乳回数かを確認する
C-7 開始しているが首の据わりが確認できない食べる・離乳首が据わってから離乳を開始しているかを確認する
C-8 スプーンを舌で押し出す状態がみられる食べる・離乳問診・視診で、適切な離乳食の与え方をしているかを確認する
C-9 離乳が進まない食べる・離乳9〜11か月は、離乳食を食べるときに舌と口角の左右への偏位がみられるか(すりつぶし機能)。12〜18か月は、前歯でのかじりとりや側方でのすりつぶしができているかを確認し、食形態を調整する
C-10 口唇の閉鎖不全がある(安静時に口唇閉鎖を認めない)話す・構音機能視診で、ずっと口を開けている所見がみられるかを確認する
C-11 やせ、または肥満であるその他・栄養(体格)カウプ指数(体重g÷身長cm2×10)で評価する。現在と出生時の体重・身長を記入する
C-12 口腔周囲に過敏があるその他口の周辺や口の中に触れた途端に顔をそむける、全身に緊張がみられるかを確認する
C-13 上記以外の問題点その他「口腔機能発達評価マニュアル」のステージ別チェックリストに該当する項目がある場合に記入する

出典:「基本的な考え方」(令和6年3月)別紙1と「チェックリストの各項目に関する評価基準(離乳完了前)」。評価基準は要約です。

評価基準の表には、このほか、嚥下時の鼻腔への漏れ(鼻咽腔閉鎖不全)、嚥下前後・嚥下時のムセ、口唇探索反射や吸てつ反射などの原始反射の残存を確認する項目も示されています。

離乳完了後(別紙2)のC項目と評価基準

別紙2の評価基準には、項目ごとに評価を始める時期が付いているものがあります。乳歯列が完成する前の小児に、3歳以降に評価する項目を当てはめないよう注意が必要です。

C項目分類評価の時期管理が必要と判断する基準(要約)
C-1 歯の萌出に遅れがある咀嚼機能―未萌出の歯が、①平均的な萌出時期を乳歯で6か月以上・永久歯で1年以上過ぎている、②萌出順序で次の歯が先に萌出している、③反対側同名歯の萌出から12か月以上遅れている、のいずれか(先天性欠如が原因の場合も含める)
C-2 機能的因子による歯列・咬合の異常がある咀嚼機能乳歯列完成後(3歳以降)口腔習癖・口呼吸・機能的顎偏位などが明らかな原因で、管理・指導で改善が見込まれる不正咬合(反対咬合、上顎前突、過蓋咬合、開咬、叢生、交叉咬合など)
C-3 咀嚼に影響するう蝕がある咀嚼機能1歳半以降C3以上の重症う歯、歯髄に達する破折歯、または喪失歯(外傷歯を含む)がある
C-4 強く咬みしめられない咀嚼機能3歳以降「強く咬みしめて」と指示しても咬筋の盛り上がりを触知できない、または左右差がある
C-5 咀嚼時間が長すぎる、短すぎる咀嚼機能1歳半以降適正な咀嚼回数は25〜30回が目安。長すぎる=口に入れてから嚥下完了まで概ね1分以上。短すぎる=咀嚼回数5回未満、嚥下完了まで概ね5秒未満
C-6 偏咀嚼がある咀嚼機能3歳以降問診と左右頬部の触診で、左右どちらか片方で極端に噛んでいる
C-7 舌の突出(乳児嚥下の残存)がみられる(離乳完了後)嚥下機能1歳半以降唾液嚥下時に、①上下顎歯列間に舌が介在、②上下前歯舌面に舌を圧接、③歯列の側方に舌を突出、のいずれか
C-8 哺乳量・食べる量、回数が多すぎたり少なすぎたりムラがあるなど食行動―問診で、月齢に応じた哺乳量・回数か、食べる量・回数、ムラ食べの有無を判断する
C-9 構音に障害がある(音の置換、省略、歪みなどがある)構音機能5歳以降カ・サ・タ・ナ・ラ行を言わせて、音の置換・省略・歪みなどがある
C-10 口唇の閉鎖不全がある(安静時に口唇閉鎖を認めない)構音機能3歳以降安静時に口唇閉鎖を認めず口が開いている、口唇閉鎖を指示するとオトガイ部に緊張がみられる、など
C-11 口腔習癖がある構音機能3歳以降吸指癖、舌突出癖、弄舌癖、咬唇癖、吸唇癖などが頻繁に認められる
C-12 舌小帯に異常がある構音機能―舌小帯短縮症、舌の挙上時の分葉舌、運動制限(舌尖を歯列の外に出せない、開口時に舌尖で口唇に触れられない、前方・垂直・側方運動やポッピングが困難)
C-13 やせ、または肥満である栄養(体格)―乳幼児期はカウプ指数15未満または22以上、学童期はローレル指数100未満または160以上
C-14 口呼吸があるその他―鼻閉がない状態で口呼吸(習慣性口呼吸)がみられる
C-15 口蓋扁桃等に肥大があるその他―保護者への問診(飲み込みにくそうにしている、寝ているうちに側臥位やうつ伏せになる等)と、口蓋扁桃肥大の分類(山本)による視診。幼児期は第3度、学童期以降は第2度以上
C-16 睡眠時のいびきがあるその他―鼻閉のない状態で、睡眠時にいびきがみられることが多い
C-17 舌を口蓋に押しつける力が弱い(低舌圧である)その他―最大舌圧が低い値(-1SDをcut-off値としてそれ以下)を示す
C-18 上記以外の問題点その他―口唇・歯槽の形態異常(裂奇形の形成手術後を含む)、誤嚥を疑う所見(鼻咽腔閉鎖不全、嚥下前後・嚥下時のムセ)、食べ方の問題、話し方の問題など
口唇閉鎖力検査(N)検査―年齢別平均値に比べて1SD以上低い
舌圧検査(kPa)検査―各年齢のcut-off値以下

出典:「基本的な考え方」(令和6年3月)別紙2と「チェックリストの各項目に関する評価基準(離乳完了後)」。評価基準は要約です。「―」は評価基準に時期の記載がない項目です。萌出時期の基準は、日本小児歯科学会の調査研究(2019年)とされています。

口腔機能発達不全症の診断基準と、数え方の例

「基本的な考え方」の診断基準は次のとおりです。

チェックリスト(別紙1)または(別紙2)のA機能における「食べる機能」、「話す機能」のC項目において2つ以上のD該当項目にチェックがついたものを「口腔機能発達不全症」と診断する。なお、離乳完了前はC-1~C-9を、離乳完了後はC-1~C-6のC項目を1つ含むこととする。
(日本歯科医学会「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」令和6年3月)

つまり、数える対象は「食べる機能」「話す機能」のC項目だけです。別紙1ならC-1〜C-10、別紙2ならC-1〜C-12が対象で、そのうち2つ以上が該当し、かつ必ず含む項目(別紙1はC-1〜C-9、別紙2はC-1〜C-6)が1つ以上あれば診断基準を満たします。「その他」の項目は、この2つ以上には数えません。

該当した項目(別紙2の例)診断基準理由
C-5・C-10満たす食べる・話すで2つ。C-5が咀嚼機能(C-1〜C-6)に入る
C-9・C-10満たさない話すで2つだが、C-1〜C-6が1つもない
C-3・C-14・C-16満たさない食べる・話すはC-3の1つだけ。C-14・C-16は「その他」
C-2・C-7・C-14満たす食べる・話すで2つ(C-2・C-7)。C-2が咀嚼機能に入る

表は診断基準の文言を当てはめた例です。最終的な診断は、問診・診察・検査を踏まえて歯科医師が行います。

なお、離乳完了後のC項目には評価を始める時期が付いているものがあるため、たとえば2歳の小児にC-2・C-4・C-6・C-10・C-11(3歳以降)やC-9(5歳以降)を当てはめると、基準の趣旨から外れます。

口唇閉鎖力検査と舌圧検査の年齢別基準値

「基本的な考え方」は、離乳完了後の検査として口唇閉鎖力検査、舌圧検査、咬合力測定検査、咀嚼回数測定検査などを挙げ、そのうち口唇閉鎖力検査と舌圧検査は検査方法・評価ともに適切な指標があり、いずれも重要としています。どちらも年齢によって標準値が変わるため、年齢別の値と比べて評価します。

口唇閉鎖力:年齢・性別の平均値と-1SD

年齢男児 平均値(N)男児 -1SD(N)女児 平均値(N)女児 -1SD(N)
3歳3.72.13.51.9
4歳5.13.04.82.8
5歳6.54.16.13.8
6歳8.45.57.14.6
7歳9.96.67.85.1
8歳9.86.58.05.0
9歳9.56.07.84.7
10歳9.15.77.74.6
11歳9.15.88.45.3
12歳10.16.99.26.1
15歳13.410.512.09.6
18歳14.211.612.610.6

出典:「基本的な考え方」(令和6年3月)「口唇閉鎖力の平均値と標準偏差(-1SD)」(歯科用口唇筋力固定装置 りっぷるくん によるデータ)。資料に13・14・16・17歳の値は載っていません。

口唇閉鎖力が低い値(-1SD以下)を示し、安静時や摂食時に口唇閉鎖を認めない・口呼吸などの所見がある場合に、口唇閉鎖力が不足していると判断します。ただし、成長の個人差が大きいため、その時点の値だけで評価せず、身長・体重のように成長曲線の中で継続して評価することが求められています。

舌圧:年齢別の平均値とcut-off値

年齢最大舌圧の平均値(kPa)cut-off値(kPa)
3歳11.824.0
4歳16.679.0
5歳22.112.0
6歳25.3817.0
7歳32.4624.0
8歳32.124.0
9歳35.3326.0
10歳32.8226.0
11歳37.5231.0
12歳37.4831.0

出典:「基本的な考え方」(令和6年3月)「最大舌圧の平均値(kPa)」(Ichikawa M. et al., Pediatr Dent J, 2016 および Asami T. et al., Dent Oral Craniofac Res, 2017 より引用作成)。資料に13歳以上の値は載っていません。

舌圧は、JMS舌圧測定器(TPM-01またはTPM-02)につないだ舌圧プローブを、舌と口蓋の間で随意的に最大の力で数秒間押しつぶしてもらい、最大舌圧を測ります。各年齢のcut-off値以下を低舌圧とします。口腔機能低下症の基準(年齢を問わず30kPa未満)とは別の基準です。また、-1SD以下でなくても、経時的に低下を示す場合は口腔機能発達不全症の可能性があるとされています。

※ 原資料のC-17の評価基準には「-1SDをcut-off値として」と書かれていますが、年齢別の表の「平均値-1SD」と「cut-off値」は一致しない年齢があります(例:7歳は平均値-1SDが28.37kPa、cut-off値は24.0kPa)。この記事の表とcut-off値は、原資料の「cut-off値」の欄をそのまま載せています。

どちらの検査も、十分に発達していない小児には、必要に応じて3か月に1回のペースで測定します。測定結果は、本人のモチベーションの維持やトレーニングの効果の判断にも使われます。

体格(カウプ指数・ローレル指数)の見方

体重・身長と評価日から指数と区分をその場で計算したいときは、カウプ指数・ローレル指数の計算ツール(無料・登録不要)を使えます。

カウプ指数(6歳未満)判定ローレル指数(6歳以上)判定
22以上肥満160以上肥満
19〜22未満肥満傾向145〜160未満肥満気味
15〜19未満正常範囲115〜145未満標準
13〜15未満やせぎみ100〜115未満やせぎみ
10〜13未満やせ100未満やせ

出典:「基本的な考え方」(令和6年3月)別紙1・別紙2の参考資料。カウプ指数=体重(g)÷身長(cm)2×10、ローレル指数=体重(g)÷身長(cm)3×104。

離乳完了後(別紙2)の評価基準では、C-13「やせ、または肥満である」に該当するのは、乳幼児期はカウプ指数15未満または22以上、学童期はローレル指数100未満または160以上です。カウプ指数では「やせぎみ」も該当に入る一方、「肥満傾向」は入らない点に注意が必要です。

離乳完了前(別紙1)のC-11は、カウプ指数で評価し「やせまたは肥満でないか確認する」とされていますが、該当とする数値の線は示されていません。本文では、極端な身長・体重の異常がないかを確認し、必要に応じてカウプ指数で評価するとされています。

傷病名の3段階:疑い/口腔機能管理中/口腔機能発達不全症

段階傷病名根拠
診断前(発達不全が疑われ、診断のために検査する)口腔機能発達不全症の疑い小児口唇閉鎖力検査(D011-4)の通知(2)「口腔機能の発達不全が疑われる患者に対し、口腔機能発達不全症の診断を目的として実施した場合に算定する」
確定診断には至らないが、管理が必要口腔機能管理中厚生労働省「疑義解釈資料(その1)」令和6年3月28日 歯科 問19
診断基準を満たす口腔機能発達不全症「基本的な考え方」の診断基準

令和6年の問19は、当時の歯科衛生実地指導料の口腔機能指導加算について、「検査の結果、口腔機能発達不全症又は口腔機能低下症の確定診断には至らなかったが、口腔機能管理の必要性があり口腔機能管理を実施する場合」は算定でき、傷病名は「口腔機能管理中」として差し支えない、と答えたものです。

管理の流れと、写真撮影・再評価の時期

「基本的な考え方」の図1・図2では、管理は次の流れで示されています。

  1. 検査・診断と管理計画:チェックリストと検査で評価し、管理計画を立てて患者(保護者)の同意を得る。原因が医科的疾患の可能性がある場合は、専門の医科へ紹介する。
  2. 継続の管理:指導・訓練とその評価、顔貌・口腔周囲の写真撮影(少なくとも3か月ごと)、検査(必要に応じて3か月に1回)、管理計画の再立案。
  3. 終了・中止:改善すれば治癒、改善が乏しければ再立案または中止。図2には、管理終了(治癒)・中止に「12か月後」、再開に「6か月後」と付記されています。

写真撮影は、学会の資料では「初回時と少なくとも3か月毎」、小児口腔機能管理料の通知(3)では「初回算定日には必ず実施し、その後は少なくとも当該管理料を3回算定するに当たり1回以上」とされています。撮影した写真は、診療録に添付するか、デジタル画像を電子媒体に保存・管理します。

口腔機能発達不全症のチェックリストについてよくある質問

離乳完了前と離乳完了後は、どちらのチェックリストを使いますか?

離乳が完了する前の乳児には別紙1(離乳完了前)、離乳が完了した後の小児には別紙2(離乳完了後)を使います。日本歯科医学会の「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」では、離乳完了後を「18か月以降」と表記しています。

C項目が2つ該当すれば、口腔機能発達不全症と診断できますか?

「食べる機能」「話す機能」のC項目で2つ以上該当し、かつ、離乳完了前はC-1〜C-9、離乳完了後はC-1〜C-6のうち1つ以上を含む場合に、口腔機能発達不全症と診断します。「その他」のC項目(体格、口呼吸など)は、この2つ以上の数には含まれません。

小児の舌圧の基準値は、大人と同じ30kPaですか?

違います。小児では年齢ごとのcut-off値以下を低舌圧とします。日本歯科医学会の資料のcut-off値は、3歳4.0kPa、4歳9.0kPa、5歳12.0kPa、6歳17.0kPa、7歳・8歳24.0kPa、9歳・10歳26.0kPa、11歳・12歳31.0kPaです。30kPa未満という基準は、口腔機能低下症の基準です。

口唇閉鎖力検査や舌圧検査をしないと診断できませんか?

診断基準の条件は「食べる機能」「話す機能」のC項目の該当数で、検査値そのものは条件として書かれていません。ただし学会の資料は、口唇閉鎖力検査と舌圧検査を、検査方法・評価ともに適切な指標がある重要な検査と位置づけています。

体格の「やせ、または肥満」は、何を基準に判断しますか?

離乳完了後のチェックリスト(別紙2)の評価基準では、乳幼児期はカウプ指数が15未満または22以上、学童期はローレル指数が100未満または160以上を該当としています。離乳完了前(別紙1)では、カウプ指数で評価し、やせまたは肥満でないかを確認するとされています。

顔貌や口腔の写真は、どのくらいの頻度で撮りますか?

学会の資料では、初回時と少なくとも3か月ごとに顔貌・口腔周囲の写真を撮影するとされています。小児口腔機能管理料の通知では、初回算定日には必ず撮影し、その後は少なくとも管理料を3回算定するごとに1回以上撮影して、診療録に添付するか電子媒体に保存することとされています。

チェックリストの記録と管理計画書をアプリで

口腔機能管理くんのアイコン

「口腔機能管理くん」は、歯科医院向けの口腔機能管理アプリです。離乳完了前(別紙1)と離乳完了後のチェックリストを記録すると、該当項目の数と、診断基準の条件(「食べる機能」「話す機能」のC項目で2つ以上・必須の範囲のC項目を含むか)を並べて表示します。口唇閉鎖力・舌圧の値は年齢別の基準値と並べて記録でき、体格指数の計算、経過写真の記録、管理計画書やチェックリストのPDF作成にも対応しています。

※ 離乳完了後のチェックリストは、バージョン1.9.6から令和6年3月版(18項目)に対応しています(iPhone・iPad・Android とも配信済み)。それまでの版は以前の17項目です。

iPhone・iPad・Android 対応/月額1,000円・年額9,800円(税込)、すべてのプランに1か月の無料トライアル。※ 記録と書類作成を支援するアプリで、医療機器ではありません。診断は歯科医師が行います。

口腔機能管理くんの詳細を見る

出典

  1. 日本歯科医学会「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」(令和6年3月。本文、別紙1・別紙2、チェックリストの各項目に関する評価基準、参考資料) https://www.jads.jp/assets/pdf/basic/r06/document-240402-2.pdf
  2. 令和8年 歯科診療報酬点数表 B000-4-2 小児口腔機能管理料(告示・通知。しろぼんねっと掲載) https://shirobon.net/medicalfee/latest/shika/r08_shika/r08s_ch2/r08s2_pa1/r08s21_B000_4_2.html
  3. 同 D011-4 小児口唇閉鎖力検査 https://shirobon.net/medicalfee/latest/shika/r08_shika/r08s_ch2/r08s2_pa3/r08s23_sec1/r08s231_cls2/r08s2312_D011_4.html
  4. 同 D012 舌圧検査 https://shirobon.net/medicalfee/latest/shika/r08_shika/r08s_ch2/r08s2_pa3/r08s23_sec1/r08s231_cls2/r08s2312_D012.html
  5. 厚生労働省保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その1)」令和6年3月28日 事務連絡 歯科 問19(九州厚生局掲載) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/iryo_shido/000328786.pdf
  6. 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】」(資料内 p24 小児口腔機能管理料) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001671913.pdf

各資料は2026年10月22日に確認しました。この記事はチェックリストと診断基準の読み方を整理したもので、個別の診断や算定の可否を示すものではありません。